大学時代のアルバイトについて
私は大学生時代にいくつかのアルバイトを経験しましたが、もっとも印象深いのはセルビデオショップの店員でした。
そのお店には約一万本の新品及び中古ビデオテープ(当時はVHS)が販売されていました。そのうちの三割が一般映画で、残りはすべてアダルトビデオという構成でした。つまり、アダルトビデオショップというべき店舗でした。
きっかけは求人フリーペーパーの広告だったと思います。別に普段からそうしたお店に親しんでいた訳ではなかったので、商品内容から応募に際しては少しためらいがありましたが、時給がよかったことと学校の講義に支障がない時間帯だったので面接を受けることにしました。
面接に行ったときにはアダルトビデオの試写が行われている店の雰囲気にかなり圧倒されましたが、経営母体が地元ではそれなりに(他の事業で)知られた会社だったので、その点でも安心感を得て働くことに決めました。商品も非合法なものは販売していなかったので私自身が犯罪者になる心配もありませんでした。(実際、近隣の同種のお店が違法ビデオの販売で摘発されたことがありました。)それに、こうしたお店ではどうしても暴力団のイメージがあるものです。
店の雰囲気にも仕事にもすぐに慣れることができました。仕事であると考えればさほど抵抗も関心もなくなるものです。作業については当初はPOSレジではなかったので手間がかかることもありましたが、日常業務はかなり楽な内容でした。また、店員は一人体制でしたので気分的にも楽でした。
ところで、働き始めてから知ったのですが、こうした店でも意外にも世間と同じリズムで忙しくなるようでした。例えばクリスマスです。この話をすると驚かれる方も多かったですが、実は一年でもかなり売り上げが多くて忙しい一日でした。もちろんカップルで来店されるような方はいませんでしたが、数人で連れだって飲み会帰りに来たりするお客さんが多かったように思います。クリスマスのある十二月はボーナス月であることも関係があるのかもしれません。おかしな感覚ですが、クリスマスにアダルトビデオショップでアルバイトをしている自分と、来店するお客さんの間には妙に親近感が湧いたような覚えがあります。